Stanford Law Schoolでは、毎週水曜日のお昼に、Faculty Lunchといって、大学の教授や講師が集まり、それぞれ、現在取り組んでいるプロジェクトなり論文なりを発表し議論を交し合うための集まりがあります。
時間は1時間ほど。あらかじめ議論する論文のドラフトが配られており、参加する教授たちはそれに目を通しています。その上で、最初の20~30分ほどは、発表者のプレゼンや解説があり、その後、参加者の教授たちからの質問、コメント、批判、アイディアなど浴びせられ、発表者が答える、という質疑応答が繰り広げられます。
セッションの前後には、教授同士の情報交換や談笑の場にもなります。もちろん、昼食がビュッフェスタイルで提供されます。
このLunchには、学生のための席が5つほどあり、その教授のリサーチに協力した学生+希望する学生が、セッションに参加することが出来ます。学生には、Weekly Brief というお知らせメールが毎週月曜日に配られ、その中に、今週のFaculty lunchの発表者とタイトルが記載されていて、希望者が応募する、というシステムです。
実際のやりとりを聞いていると、様々な法分野の教授から、いろいろなアイディアが出され、その議論は常に非常に真剣です。実証的な裏づけのある議論を重んじる傾向が強いアメリカの学会では、「その議論は何によって裏付けられているのか」「こんな実例がここの分野にあって、参考になるのではないか」「この法分野でも、こういう風にして議論が発展した」などというやりとりもしばしば見られます。こうしたところから、学際研究や分野同士の交流が進むのだろうか、と思います。
アメリカのロースクールでは、そのほかに、学生の組織や大学付属のセンターなどが、実務家、裁判官、ビジネス・セクターなどを呼んで、頻繁に講演会を主催しています。こうした活動が、大学と実務界とのつながりを強めるきっかけであり、しかも、その企画に学生が深く関与しているところが印象的です。(これについては、また、別途詳しく書こうと思います。)
日本のロースクールも、こんな風にして、産学の連携を学生時代から深めるようにしていければ、理想的だなぁと思います。