米国のLaw schoolでは、しばしば、学生に対して「○○教授がresearch assistantを募集しています」というメールやお知らせが流れます。彼らは一体、何をしているのでしょうか?教授と学生のそれぞれに、どんなメリットがあるのでしょうか?Research Assistant は、文字通り、教授のリサーチ(研究)をアシストする学生です。例えば、教授が論文や本などを書くとき、または、授業のための教材などを作るときに、募集することが多いようです。
具体的には、「××だという事件を読んだ記憶があるが、詳しい事実関係やそれに対する意見を、新聞や論文のデータベースを使って確認してほしい。」「××という問題について、判例を調べてほしい。」などの課題を学生に依頼します。依頼された学生は、その課題についてリサーチをしてレポートを書く、という感じです。教授は、その結果を論文や本などの脚注や、裏づけ事実などの補強材料として埋め込み、本の前書きや論文の脚注など(Acknowledgement)で、その学生の名前をリストして、感謝の意を表します。
ということで教授のメリットは、明らかですね。
学生にとっては、どんなメリットがあるのでしょうか。
まず、アルバイト料がもらえます。時給が払われるほか、スタンフォード・ロー・スクールでは、一週間に一定以上の時間をリサーチ・アシスタントとして使っていると、授業料自体が割引になる、という特典もあります。
また、教授の研究の仕方を学べたり、教授と仲良くなれたり、というメリットもあります。
更には、リサーチ・アシスタントになるには、履歴書のようなものを出して、成績やこれまでの経歴などが参考にされ、優秀な人が雇われるので、リサーチ・アシスタントをしていたというのは、学生にとって、就職活動のときに、能力のひとつの証として有利な情報になるとも言われています。
こうしてみてみると、双方にとってメリットのある、Win-winの取引に見えますね。
疑問は、こうした学生アルバイトを雇う費用はどこから出ているのか、という所です。学校から各教授ごとに一定の予算が与えられている、という話を聞いたことがあります(確証はないですが...。)もしもそうだとすると、潤沢に予算のあるロースクールだからこそ出来ることなのでしょうか。